皆さんは、亡くなった方の遺品を整理し、家や部屋の片づけ作業を代行してくれる『遺品整理業者』の存在はご存知でしょうか?
一昔前までであれば、遺品整理の作業に関しては、遺族の方々が協力して行うという手法が一般的でしたが、近年では、遺品整理を専門とするサービスの登場もあり、遺品整理作業をそういった業者に代行してもらうという方が増加していると言われています。
それでは、ご家族の遺品整理を専門業者に代行してもらう人は、どういった人で、またどういった理由があるのでしょうか?さらに、こういった部屋の片づけを代行してくれるサービスには『不用品回収業者』なるものもありますが、こういった業者と遺品整理業者は何が違うのでしょうか?
この記事では、最近利用者が増加しているものの、業界自体の知名度がまだまだ低いと考えられる遺品整理業者について、遺品整理を専門業者に依頼することのメリットなどをご紹介します。
遺品整理を専門業者に依頼するメリットは?
遺品整理を遺族の方が行うのではなく、専門業者に代行してもらう場合は、さまざまな必要性に迫られて依頼されるケースが多いです。ここでは、さまざまなシチュエーションにおいて、遺品整理業者に代行してもらうメリットをご紹介します。
自分で遺品整理の時間がとれなくても大丈夫
遺品整理は「不要なものを片付けるだけだから簡単に終わるだろ!」と考えている方は少なくありません。しかし、実際に遺品整理作業をしてみると、まだ使えそうな物も多いため「どこまで処分すれば良いのか…」と迷ってしまったり、書類関係で必要なものと不要なものを分けるのに手間取ってしまう…など、予想していた以上に時間を取られてしまうということが多くあります。
このような場合には、「少しづつ片付ければ良い…」などと考える人もいますが、毎週末、実家の遺品整理に自分の時間を費やさなければならない…という状況が続けば、徐々にその作業がストレスに感じてしまうこともあるでしょう。さらに、賃貸住宅の場合であれば、部屋を解約関係の問題もありますので、平日の仕事終わりに無理やり時間を取らなければならない…なんて状況になってしまうこともあるのです。
このような「自分で整理するのでは時間がかかり過ぎる…」という問題から、遺品整理作業に慣れている専門業者に依頼するケースが増えているのです。遺品整理業者に依頼すれば、自分の時間を使うこともなく、あっという間に部屋の片づけが終了するのが大きなメリットです。
必要なものを間違って捨てる心配がない
自分で遺品整理をする場合には、部屋の中にあるもの全てを不用品として処分してしまう人も珍しくありません。しかし、遺品整理をする場合には、個人が大切に使用していた思い出の品や、形見となるアクセサリー、遺言書や土地の権利書など、間違って捨ててしまっては困るものも多くあるのです。特に、生前どこにしまっているのかご遺族に知らせないまま逝去された場合など、まとめて処分してしまっては、後々困ってしまう状況になる危険が存在しているのです。
遺品整理を専門とする業者であれば、豊富な経験をもとに大切な遺品を見つけてくれることがあるのです。例えば、本に挟まれている手紙や、引き出しの裏に貼りつけられている現金など、一般の人では確認もせずに捨ててしまうものでも、よくあるパターンとして見つけ出してくれます。
大型家具なども問題なく処分できる
自分で遺品整理をしようと考えた場合に、最も大きな問題として立ちはだかるのは、タンスや家電など、とても一人では持ち運びができないような大型なものもあるということです。例えば、高齢の方や女性の方であれば、動かすことすら難しい…という遺品もたくさんあるのです。
こういった問題を抱える方が、最近では遺品整理業者を利用するようになっています。遺品整理業者であれば、どれだけ大きな荷物でも問題なく運び出してくれますし、持ち運び時にぶつけて建物を破損させてしまうような心配もありません。
遠方の遺品整理も問題なく依頼できる
遺品整理が必要な建物が、依頼者が住んでいる所からはるかに離れているということも珍しくありません。このような場合には、自分で遺品整理をしに行くのもなかなか難しいものです。例えば、大阪に住んでいる方で実家が九州にあるという場合、片付けだけのために何日も会社を休んだり、週末に何度も通うのは現実的ではありませんね。
こういった状況でも遺品整理業者であれば、問題なく家の片づけが可能なのです。業者によっては委任状と合わせて片付けが必要な家の鍵を渡せば、立ち合いも不要で作業してくれるケースもありますので、非常に便利に使うことができます。
「遺品整理業者」と「不用品回収業者」の違いとは?
遺品整理に関しても、極端に言えば「不用品を処分する」ということですので、それなら「不用品回収業者に依頼すれば問題ないのでは?」と考える方も多いことでしょう。実際に、不用品回収業者の中には遺品整理の依頼を受けていることもありますので、名称の違いだけで「同じ業者だ!」と考えてしまうかもしれません。しかし、遺品整理業者と不用品回収業者は、良く間違われるのですが、全く違う業者だと覚えておきましょう。
どこが違うのかというと、遺品整理業者というのは「貴重品や思い出の品をきちんと選り分けて、処分の方法に関しても遺族に確認してくれる。」という点です。
不用品回収業者というのは、その名称通り「不要になったものを回収する業者」ですので、極端に言えば部屋の中にある物をとにかくトラックに載せて回収していくだけの業者です。当然回収するものの思い出などは関係ありませんし、物品ごとに処分の方法を確認してくるようなこともありません。したがって、「ゴミ屋敷を綺麗にしたい…」「大量の不用品をとにかく処分したい…」などと言った場合には、非常にありがたい業者となるのですが、大量の家財の中から捨ててはいけないものを判別しなければならない遺品整理の場合、あまり向いているとは言えないのです。
遺品整理業者であれば、上述したように、不用品と思い出の品、必要な書類などをきちんと仕分けしてくれますし、不用品の処分に関してもお客様の希望があれば供養などの処分方法を提案してくれることもあるのです。このように、単純に「不用品を処分」するのではなく、依頼人と故人に寄り添って遺族の心残りが無いように片付けを代行するのが遺品整理サービスなのです。
まとめ
今回は、遺品整理を専門業者に依頼することのメリットについてご紹介しました。本稿でご紹介したように、近年では、もともと遺族の方々が行っていた遺品整理を代行してくれるサービスが登場しており、徐々にこのサービスを利用する方が増えていると言われています。遺品整理は、一見すると不要になったものを処分するだけですので、大した時間をかけることなく、誰でも簡単に終わるものだと考えられがちです。しかし実際には、必要なものと不要なものの仕分けであったり、とても遺族だけでは処分できないような大型家具があったりと、時間も労力も必要になるのです。
こういった場合には、専門の遺品整理業者に作業を代行してもらうのがオススメです。遺品整理業者は、不用品回収業者などとは異なり、きちんと遺族の気持ちに寄り添って作業を進めてくれます。また、経験豊富な遺品整理士であれば、遺族では見つけることができないような隠れた遺品などを発見してくれることもありますので、心残りなく遺品の整理が完了すると思います。
なお、遺品整理サービスを依頼する場合には、「遺品整理士」という資格を持ったスタッフがいる会社に依頼するのがオススメです。遺品整理士という資格は、厳しい試験がありますし、取得後も協会の基準に反する行為を行うと資格はく奪までされる非常に厳格な資格のため、遺品整理専門のスキルを持っており、遺族に対する心配りができる証でもあるのです。