身近な家族が亡くなると、いずれするのが遺品整理です。しかし、自殺や孤独死などによって部屋に血液や体液が染みついている場合は、遺品整理よりも前に特殊清掃を行わなければなりません。
このように、遺品整理と特殊清掃は非常に関連が深い作業ですが、実際の作業内容に違いはあるのでしょうか。
今回の記事では、遺品整理と特殊清掃それぞれの概要や違いについて、詳しく解説していきます。また、記事の後半では遺品整理・特殊清掃を依頼する業者選びのポイントもご紹介します。
遺品整理や特殊清掃を業者に依頼するか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
遺品整理と特殊清掃、それぞれの必要な場面とは?
まずは、遺品整理と特殊清掃それぞれの作業が必要とされる場面を確認しましょう。
遺品整理とは
遺品整理とは、家族が亡くなったときに、故人の遺品を整理して片付ける作業を意味します。
そのため、遺品整理では、単なる処分とは異なり、思い出の品物や遺産相続にかかわる重要な書類などが混ざった遺品を1つ1つの遺品を丁寧に扱い、残すものと不要なものに仕分ける必要があります。
従来は故人の家族・親族が遺品整理を行うのが一般的でしたが、近年では専門業者に依頼するケースが増えています。専門業者に頼めば、遺品を適切に仕分けしたうえで、重いものの処分も含めて迅速な遺品整理が可能です。
特殊清掃とは?
特殊清掃とは、感染症性の菌やウイルス、化学物質がある可能性がある、衛生状態が悪い部屋の清掃を意味します。
特に、下記のような場合に特殊清掃が必要とされます。
- 孤独死や自死で血液や体液痕がある
- 多頭飼育崩壊(ペットの糞尿)がある
- 衛生状態が悪いゴミ屋敷
- 火災のあと
- 水害復旧
なかでも、最も多いのが孤独死の特殊清掃です。孤独死は、亡くなってから遺体の発見までに日数が経過していることが多く、血液や体液によって部屋は汚損されて異臭が発生します。
そのような汚れや臭いは、一般的な清掃で落とし切ることが困難です。そこで、プロの手による特殊清掃を行うことで衛生的な状態へと回復します。
遺品整理と特殊清掃の違い
特殊清掃が求められる場面で孤独死は最も多く、さらに孤独死は年々増加している社会的な背景もあり、遺品整理と特殊清掃は切っても切り離せない関係です。しかし、2つの業務には多くの点で違いが見られます。 ここでは、遺品整理と特殊清掃の代表的な4つの違いを確認していきましょう。
違い①:実施する目的
遺品整理と特殊清掃の1つ目の違いは、それぞれを実施する目的にあります。
まず遺品整理の場合は、遺品を適切に整理・処分することが主な目的です。そのため、作業時は貴重品などを見落とさず適切に仕分けること、そしてスムーズに作業を進めることなどが重視されます。
一方、特殊清掃の場合は、感染症性の菌やウイルス、化学物質がある可能性がある現場を衛生的に原状回復することが目的です。主に自殺や孤独死などで染みついた血液や体液、悪臭を取り除きます。
違い②:対象となる範囲
遺品整理と特殊清掃の2つ目の違いは、対象となる範囲にあります。
遺品整理の場合は、故人の住んでいた住居や部屋全体が作業範囲となり、そこにあるすべての遺品を整理していきます。
一方で、特殊清掃の場合は、故人の血液や体液などで汚染された場所が清掃の作業範囲となります。
しかし、自殺や孤独死で遺体の発見が遅れた際に生じる臭いは広範囲に及び、特殊清掃における脱臭作業は、部屋全体や住居全体などと広範囲に渡ることもあります。
違い③:所要時間
遺品整理と特殊清掃は、所要時間の点でも違いがあります。
遺品整理の場合、最短で数時間程度~長くとも2・3日で作業が完了します
特殊清掃の場合は汚れや臭いを取り除くために様々な作業行程が必要となるため、短くとも2日程度、長い場合は1週間以上の期間を要します。
違い④:費用相場
遺品整理と特殊清掃は、費用相場にも違いがあります。
遺品整理の費用は、遺品の量や作業にかかる人数、搬出方法などによって決定されます。一般的に1K・1Rほどの広さの部屋であれば、3万~15万円ほどが費用相場です。
一方、特殊清掃ではどのくらいの期間がたって、どの程度広く、深く汚損しているかによって作業工程が変わります。そのため同じ間取りでも費用は数十万円もの差が出ることもあり、一概に費用相場を提示できません。 当社では作業事例を料金とともに紹介していますので、ご参考ください。
特殊清掃の作業内容
特殊清掃はプロの手による作業が必要です。
ここでは、特殊清掃にはどのような行程があるのか、具体的な内容を順に紹介します。
消毒・一次消臭
特殊清掃の作業を始めるにあたって、まずは二次感染を防ぐための消毒を行います。
消毒によって雑菌が除去されるため、そこから発生する臭いもある程度抑えられます。そのため、消毒は特殊清掃の作業性を改善するための一次消臭(粗消臭)の役割を果たします。
血液・体液の除去
続いて、血液・体液の除去を行います。
まず、周辺にある布団などの汚れたものを厳重に梱包して撤去してから、血液や体液の付着した箇所の洗浄を開始します。その際、消毒作用のある特別な薬剤を使うことで、体液痕を消毒しながら洗浄します。
遺品整理
血液・体液の除去が完了したら、遺品整理に進みます。まだある程度の臭いは残っているものの、一般の方が入室できる水準には回復し、ご遺族の手で遺品整理を行っていただくことも可能です。
なお、室内に家財道具が残ったままでは、後述する脱臭作業の効果が落ちてしまいます。そのため、特にご要望がない限りは、脱臭効果を高めるために部屋にあるものはすべて運び出します。
汚染箇所の解体・撤去
遺品整理、および家財道具などの運び出しが完了したら、汚染箇所の解体・撤去を行います。
遺体の発見が遅くなった場合、血液や体液の汚れが壁や床に染み込み、内部を汚損していることもあります。体液が染み込んだ畳や床材、壁材、建具は撤去し、下地まで達していたり、柱などにも染み込んだりしていれば、部分解体を行います。
壁紙は臭いが染みつきやすいため、しっかりと臭いを確認して広範囲に剥がすケースが多いです。
死臭・腐敗臭の脱臭
臭いの原因となる汚染箇所の解体・撤去が済んだら、残留した死臭・腐敗臭の脱臭作業を行います。
臭いの程度によって作業方法の詳細は異なりますが、最も効果が高いのはオゾン脱臭です。オゾン脱臭には、死臭・腐敗臭の脱臭のほか、除菌や害虫忌避の効果もあります。
特殊清掃では、一般的なオゾン脱臭より高い効果を発揮するOST法という手法が用いられます。一般的なオゾン脱臭の場合は、十分な脱臭効果が得られるまでに1~3週間程度かかることもありますが、OST法を使った脱臭では数日程度で作業が完了します。
遺品整理の作業内容についてはこちらをご参考ください。
遺品整理と特殊清掃の業者を選ぶ際の3つのポイント
上述の通り、遺品整理と特殊清掃は似て非なるものですが、孤独死の特殊清掃など、清掃の過程で遺品整理が必要なご依頼は年々増加しています。
しかし、遺品整理に比べて特殊清掃はより専門性の高い作業です。そのため、遺品整理を行う業者のなかには、特殊清掃に対応していない遺品整理業者も多数存在します。
遺品整理と特殊清掃を同時に依頼したい場合は、業者の対応可能なサービスを確認し、適切に業者選びをすることが大切です。
ここでは、遺品整理・特殊清掃を依頼する業者を選ぶ際のポイントを、3つ厳選してご紹介します。
ポイント①:3社以上から相見積もりを取る
遺品整理・特殊清掃を業者に依頼する際は、3社以上から相見積もりを取るようにしましょう。
遺品整理と特殊清掃にどれくらいの費用がかかるかは、個々のケースによって大きく変わります。もし1社からしか見積もりを取らないと、そこで提示された金額が適正かどうかを判断できません。そのため、相場を把握する意味でも、最低3社から見積もりを取って比較するようにしましょう。
その際、相場と比べて料金が高すぎる場合はもちろん、安すぎる場合も注意が必要です。
特に特殊清掃は専門性が求められる作業のため、どうしても相応の料金がかかります。あまりにも安い業者の場合は、当日になって不当に追加請求されたり、希望した作業内容や仕上がりと異なったりするなど、トラブルに発展しかねないので、くれぐれも注意しましょう。
ポイント②:見積もり金額・作業内容が明確か
遺品整理・特殊清掃を業者に依頼する際は、見積もり金額・作業内容が明確かも確認しましょう。
特に特殊清掃の場合は、ケースによって作業内容が異なります。そのため、見積もりを出してもらう段階でどのような作業をしてほしいのか、最終的にどんな状態にしてほしいのかなど、希望や不安に思っている事をしっかり伝え、そのための作業を実施してくれるかどうかを確認してください。
また、特殊清掃の最終的な目的が原状回復である場合は、作業を始めてから追加作業が必要になる可能性も考えられます。そのため、見積もり時点で追加の可能性があるかどうか、どれくらいの料金になるか目安をしっかり説明できる業者を選ぶことが大切です。
ポイント③:豊富な実績のある業者に依頼する
遺品整理・特殊清掃を依頼する際は、豊富な実績のある業者を選ぶようにしましょう。遺品整理や特殊清掃の作業実績は、業者にとってもアピールポイントです。優良な業者ならたいていホームページで実績が紹介されています。
また、専門性が高い特殊清掃作業は、業者によってはノウハウが蓄積されておらず、作業後に臭いが残るなど思っていた状態に復旧できないケースも考えられます。そのため、自身のニーズと近い現場事例があるか、特殊清掃によってどの程度まで原状回復されているかなど、作業実績の詳細も含めて確認するといいでしょう。
まとめ
今回は、遺品整理と特殊清掃の関連性と作業内容について、詳しく確認してきました。
遺品整理と特殊清掃は、どちらも亡くなった方の住んでいた空間で行う作業です。遺体から出た血液や体液によって部屋が汚染されている場合は、特殊清掃を実施してから遺品整理を行うため、両作業はとても密接に関連しているといえます。
特に特殊清掃は専門性の高い作業なので、業者選びは慎重に。満足のいく状態にしてもらうには、見積もり時点で希望をしっかり伝え、作業の可否を確認してから依頼することが大切です。
今回ご紹介したことを参考に、信頼できる業者を選び、後悔のない遺品整理・特殊清掃を実現させましょう。
エンディールではお客様の目的に合った遺品整理・特殊清掃を実現します
エンディールでは、関西エリアを対象に遺品整理・特殊清掃を実施しています。
遺品整理では、遺品の選別・仕分けのお手伝いから、形見分けの配送、大型家具の運び出しやお部屋の清掃・除菌に至るまで、一貫して責任を持って対応いたします。また特殊清掃では、どのような現場でも、最も効果的な方法で正常な状態へと原状回復し、迅速かつ確実に清掃・除菌・消毒をいたします。 関西エリアで遺品整理・特殊清掃のご依頼を検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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エンディールの作業実績
京都府で孤独死現場の特殊清掃
お父様が亡くなられ、死後3日で発見された孤独死現場のご依頼です。
今回は遺品整理と、体液が付着した物の処分を承りました。
比較的早期に発見されたとのことで、臭いや汚れはひどくはありませんでしたが、 感染症に注意し、周辺に配慮しながら作業をさせていただきました。
- 買取後の作業料金
- 135,000円
- 買取金額※
- 10,000円
オーディオ、PC
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- 間取り
- 2K
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- 人数・時間
- 3名、4時間
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- 住所
- 京都府
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- トラック
- 2トントラック、パッカー車
特殊清掃
大阪府での特殊清掃と遺品整理
孤独死があったワンルームの特殊清掃と遺品整理を承りました。異臭が立ち込め、大量の害虫が発生する中、まずは全てのものを運び出しました。
そして壁紙とフロアを剥がしてから3日間のオゾン脱臭を施工させていただきました。
- 作業料金
- 280,000円
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- 間取り
- 1R
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- 人数・時間
- 3名、8時間
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- 住所
- 大阪府
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- トラック
- 2トントラック、パッカー車
特殊清掃
大阪府での特殊清掃作業
弟さまがご自宅で亡くなられ、発見が遅れた孤独死現場の遺品整理のご依頼です。
ウジが発生し、臭いもありましたが、まずは汚染物を撤去してからご遺品を仕分け、ご遺品の一部はご供養させていただきました。
- 作業料金
- 280,000円
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- 間取り
- 5DK
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- 人数・時間
- 6名、8時間
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- 住所
- 大阪府
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- トラック
- 2トントラック、パッカー車
特殊清掃